新世紀エヴァンゲリオンについての質問です。
作品中に登場する渚カヲルはアダムの魂を持つ第17使徒ですが、
アダムの子であるカヲル君は生命の実しか持たないはずなのに
知恵を持たないようにはとても見えません。
進化の過程であのくらいの知恵を身につけたなら、生命の実と知恵の実の両方を持つ神と
同等の存在といってもいいのではないでしょうか?
他の使徒もまるっきり知恵が無いようには見えないですし、
そもそも知恵の実を持つってどういうことなんでしょうか?
カヲルは《知恵の実》を持ってますよ。
20世紀末アダムを発見した科学者らは、アダムにヒト遺伝子を融合させる実験を行いました。
アダムは《生命の実》と《知恵の実》の両方を持つ神ですが、《生命の実》を持つ子しか生めません。しかし、セカンド・インパクトの直前、リリスの子の遺伝子を取り込んだことで、両方の実を持つ子を生める体になり、直後消滅するまでの間にカヲルを生みました。
これはリリスが、西暦2000年にアダムを刺した(アダムの血がついた)槍に刺されたことで、両方の実を持つ子を生める体になったのと同じです。
だからカヲルは《知恵の実》も持っているんですよ。
また17話で、ゲンドウはゼーレに「使徒は知恵を知恵を身につけ始めています」と述べています。その言葉通り使徒は登場するにつれ複雑な攻撃(またはコミュニケーション)手段を取るようになっていきました。
その最終形が、まぎれもなく知恵を持つ使徒であるカヲルです。
さて、ではカヲルは神かといえば、答えはノーです。
初号機も19話で、《生命の実》を持つ者の証たるS2機関を手に入れました。碇ユイが眠る初号機は《知恵の実》も持っています。でも初号機が「神に等しい存在になった(by冬月)」と言われたのは、このときではなく、劇場版で量産機とともに《生命の木》の図形を描いたときでしたよね。
つまり、《生命の実》と《知恵の実》を持っているだけでは、神ではないんですよ。
これはゼーレの目指す「人のあるべき姿」が両方の実を持つ存在であったにも関わらず、「神を作ってはいけない」と言っていたことからも判ります。
エヴァの作中での神とは、《生命の実》と《知恵の実》を両方を持ち、地球全土を覆うほどの強力な反ATフィールドの展開ができ、そして《月》を起動できる存在のことを言います。
使徒の魂の故郷である《白き月》を動かせるのはアダムのみ。人類の魂の故郷である《黒き月》を動かせるのはリリスのみ。
だから、彼らのどちらかに融合した者は神になります。
そしてもうひとつ、両方の実をそろえて10体で《生命の木》を描けば、《神に等しい存在》を生み出せます。これによりリリスの分身であり《神に等しい存在》となった劇場版の初号機は、すなわちリリスに等しい存在となり、リリスの《黒き月》を動かしました。
《生命の実》だけを持つとは、無限の命を持ち、知恵がないという事。つまりS2機関で活動し、コア(自我)のみを持つという事です。
《知恵の実》だけを持つとは、知恵はあるが命が有限だという事。つまり消化器と心臓で活動し、脳(自我+知恵)を持つという事です。
chico_0831_manjさんへも回答を。
字数制限ギリギリなので舌足らずですが。
①以前の回答を参照ください。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1065034885
これ以降2015年までに人がカヲルの体を造るのは不可能です。
②3~16使徒は、ファースト・インパクト以前に生まれてますね。
自分自身を進化させ存在させ続ける進化モデルである使徒は、その進化により《知恵》を身につけ始めたということです。人が科学で《生命》の謎を解き明かしかけたように。
③劇場版で槍を抜いた時リリスに足が生えた事が証左となります。
創世記でイヴに知恵の実を食べさせたことで、蛇(リリスの化身)は神に足を奪われ地を這う獣になりました。劇中のリリスに足がないのは、人類に「原罪」を与えた蛇の暗喩で、足が生えたのは原罪=《知恵の実》のみを与える体でなくなったと。
④カヲルは人間としてパイロットになっています。しかし弐号機と同じ体と述べた事から、アダム出自の肉体と判ります。人間の体ではありません。
参照いただいたビデオフォーマット版で追加の台詞ですが、回答との矛盾はないと思います。
⑤はい、カヲル以外の使徒が《知恵の実》を持ってないですね。
⑥アダムとリリスは最初から、《生命の実》と《知恵の実》の両方を持つ神ですよ。
21話での冬月の「神のプロトタイプ」、23話でのリツコの「神様を見つけた」などが証左です。
⑦《生命の樹》は元ネタの通り、神でない存在が《神に等しい存在》に至る過程の図形と形態の呼び名に過ぎません。
24話の前で、補完計画はアダム・リリスを使わない形に変更されましたよね。しかし補完に神は必要です。そのためとられたのが《生命の樹》を描くことで《神に等しい存在》を顕現する方法です。変更前のプランに《生命の樹》は不要。
⑧両方の実を持つだけでは神と呼ばれなかったのは、回答本文のとおりです。
あと初号機は《月》を動かしましたよね。そもそも《神に等しい存在》を呼び出しても、それが出来ないなら、ゼーレが《神に等しい存在》を呼び出した意味がないわけで。
以上、字数制限ギリギリです。他に疑問があれば、自身で質問を建てられてください。1回での質問を3~4個にしていただくと、いくつか資料も示しながら回答が出来るでしょう。
これはキリスト教の考え方です。
旧約聖書2章第9節 創世記
エデンの園という場所に神は泥を使って泥人形を1つ創ります。
それが最初の人間であり、男性であるアダムです。そしてアダムの肋骨を神は抜き取りそこからイブを創ります。イブは最初の女性です。
エデンの園には生命の樹、知恵の樹が植えてありました。
神はアダムとイブにその2つの樹になっている実を絶対に食べるなと言いました。何故ならその2つを食せば神と同義の存在感になるからです。
ある日蛇がアダムとイブに知恵の実を食べるようにそそのかしました。アダムとイブは知恵の実を食べてしまいました。これが禁断の赤い果実、リンゴです。
そして、それを見た神は怒り、アダムとイブをエデンの園から追放します。
まず知識と知恵が別物であると考えてみましょう。
カヲルくんは人間界で14年生きてきて、なおかつゼーレからの教育で知識を得ることはできたが、それを知恵にまで高めることはできていないと考えることはできないでしょうか。
ですので、知識で得た人としての行動を模倣しているだけなのかも知れません。
知恵を持つとは欲望を持つことではないでしょうか。現状をより自分に都合よくするために既存の知識を活用したり、新たな知識を得ることと考えます。例えば、ヒトは命が有限のため科学で得た知識を基に不老不死を目指すことなど。
聖書では善悪を知る事ともあります。
知識:認識・経験によって得られた成果のこと。
知恵:知識によって得られた物事の道理・理屈を理解し処理していく心の働き。
カヲルくんは【生命の実】しか持っていません。
アダムを発見した後様々な実験が行われたと思われますが、アダム(生命の実)にヒト(知恵の実)の遺伝子を融合させる実験は最後の実験でした。
その前にアダム本来のDNAサンプルは採取されていたと考えるのが普通です。
そして2000年8月15日にゲンドウと一緒に南極にいたキールが融合実験により何が起こるのかを知らなかった訳がありません。
ですので、セカンドインパクトの前日にゲンドウは資料と共に日本に帰国しています。キールはその前に帰国したと思われます。
このことから、カヲルくんの肉体はヒト(知恵の実)と融合する前のアダム(生命の実)から造られたと考えることができます。
それから、下記の情報があるのはご存知ですか。
・アダムとリリスは、誕生したのがほぼ同時期である。少なくとも46億年より前
・アダムとリリスは、第一始祖民族といわれる先史知的生命体(神?)によって生み出された「生命の種」である。
・生命の種は、アダムとリリスを含め全部で7つ作られた。
・生命の種はそれぞれ自分専用の月を持っている。アダムは白き月、リリスは黒き月。
・生み出された生命の種は、まず無知になるが、
「生命の実(=永遠の命)」か、「知恵の実(=神のごとき知恵)」のどちらかを選ぶ権利を与えられ、
そのどちらか一つを得て、後、宇宙へと旅立った。
・生命の種の間では、知恵の実よりも生命の種の方が人気があったようだ。
最後に一つ残った生命の実をアダムが食べてしまい、リリスの食べる分がなくなってしまった。
・リリスが欲しかったのも生命の実であったが、リリスは仕方なく知恵の実を食べるほかなかった。
・知恵の実により知恵を得たリリスは一計を案じる。アダムを追跡し、生命の実を奪おうと。
・リリスは「黒き月」を駆って、アダムの「白き月」を追跡した。
・アダムの「白き月」は地球に着床した。
・リリスの「黒き月」は火星クラスの大きさの微惑星に着床し、その微惑星ごと地球に体当たりした。
それが46億年前に起きた「ジャイアントインパクト」であり、エヴァの世界では「ファーストインパクト」と呼ばれているものである。
・リリス突撃の結果、地球にその生態系を構築するはずだったアダムは覚醒できず眠ったままとなり、
代わって、リリスベースの生態系が地球に定着することとなった。
この情報から【アダム=生命の実と知恵の実を持った神】を私は否定しています。
ただし、セカンドインパクトを引き起こした【光の巨人=アダム(生命の実)とヒト(知恵の実)の融合体=神に等しい存在】は肯定しています。
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